学校の授業について一言で言えば、初めての子供のミニ留学体験としては、とても良かったのではないかと思います。
ポイントは、
1)フレキシブルな授業。午前中に先生、生徒、親と午後の予定について話し合い、コミュニケーション・レッスンとよばれる学校外での体験型レッスンを受講することができる。(丸一日を使って遠方に足を伸ばしたり、マリンスポーツなどもできるらしい。)
これは、野外のアクティビティーを先生と一緒に行うもので、かかる費用はすべて生徒側が持ちます。レッスン時間の範囲で出かけられる名所や博物館などの施設の訪問、動物園、レジャー施設などを訪問します。
2)先生方が子供に慣れている。
これはとても大きなことだと思います。最初は緊張していた息子ですが、物腰の柔らかで親しみやすい男性の先生がついてくださり、すっかり仲良くなりました。当たり前のことかもしれませんが、子供のテンポに寄り添って、誠実に接してくださいました。
3)生徒一人に、一人の先生がずっとついてくれる。
この方法は、毎回先生がレベルのチェックをするようなこともないので、非常に良いです。国内の語学教室だと、毎回異なる先生になったり、人気の先生の予約が取りづらいなどあると聞きました。
もちろん、相性が悪い際は、スタッフに相談し変えていただくことができるそうですが、日本人はそういうことは苦手なのではないでしょうか。
☆実際のコミュニケーション・レッスン
私が子供に体験して欲しかったのは、クラスの中ではなく日常で英語を使うことでした。でも、親と一緒だと甘えてしまいますし。子供の学校内の授業はわかりませんが、コミュニケーション・レッスンはなかなか良かったと思います。先生も生徒も、とても楽しみ、信頼関係を作れたようです。
事前に親と先生で、子供にどんな体験をし、チャレンジをして欲しいか、何を教えてもらいたいかを伝えておきます。子供の性格や興味を伝えると、他の先生や日本人スタッフの方も助言をくれますし、学校にはアクティビティーのためのわかりやすい資料集が準備されています。
マゼランズ・クロスとサントニーニョ教会周辺へ
このアクティビティーは、親も一緒に参加することができるということだったので、まずは初日に、子供とK先生、私とJ先生の4人で初日の午後にマゼランズ・クロスを訪問しました。
私の希望でジプニーに。乗り方やお金の払い方を習いました。代金を隣の人に渡してドライバーまで送ってもらうこと。おつりも送られてきます。おりたい時は、「パラポ」と言うか、コインで天井を叩いて音を出します。
私の先生は22歳の高校教師の免許を持つ、J先生でした。全方向に博識で、授業はとても面白かったです。この先生が歴史に詳しかったので、マゼラン・クロスを見に行った際には、表では書かれていないセブ王やマゼランに勝った英雄ラプラプについて話してくれました。
※この十字架の容器の中に、マゼランが立てた本物の十字架が入っています。
ろうそく売りの方々がいます。マゼランクロスの足元にも、祈りを捧げたこのとてもカラフルなろうそくが沢山積み上げられていました。
マゼランの十字架は、占領の象徴として見に行ったのですが、そこを訪問する多くの人々にとっては聖地だということがよくわかりました。セブ出身のJ先生もカトリック。子供の頃はマゼランの十字架を聖地のように考えていたそう。ところが、大人になって支配の歴史を知って、見方が変わったそう。では、もしもスペインに支配されていなかったら、この島々はどうなっていたと思う?と聞くと、「僕は中国人だったよね?」という答え。
フィリピン、アメリカ、日本の支配、そして現在は中国の重い影響。そのようなことを背景に、現在、英語を母国語としない国としては英語力で1位となっているフィリピン的な独特の知性につながっている気がします。
周辺にあった有名なサントニーニョ教会や周辺も歩きました。普段は教会内で行われるミサですが、正月で信徒の方々も多く、特別なミサが野外で行われていました。
フィリピン語と英語で順次行われるようです。
ヴァチカンから聖人に身体の一部(髪の毛や皮膚など)が分けられて、このスタチュー(呼び方が不明なのですが)の中心のガラスのような部分に収められているそうです。
教会の外に短冊のようなものを発見。星型の紙に願いを書いて飾るそうです。
このマゼランズ・クロスとサントニーニョ教会周辺のコミュニケーションレッスンは、往復ジプニーで行き、2時間もかかりません。
学校に戻ってからは、残りの時間を室内の授業に使います。
その他のコミュニティケーション・レッスン
二日目以降も、子供には積極的にコミュニケーション・レッスンを取り入れてもらいました。
その分、想定外の費用もかかったのですが、国内での娯楽に比べれば安いですね。
子供が選んだのは、ゴーカートで遊ぶことと、クロコランディアという爬虫類の動物園のような施設の訪問。初日は親も同行しましたが、二日目からは先生と二人で行ってもらいました。
日本語を話さない先生と二人でタクシーやジプニーを使ってどこかに行くことで、乗り物の止め方、支払い方、行き先の伝え方、様々な人々への要望の伝え方や挨拶などを教えていただきます。
息子の担当の先生は、とても若い小柄な青年でした。いかにも欧米風の母国語を英語とする国の先生だとまた違ったのかもしれません。
そして、先生にとってもゴーカートが初めての体験だったり、クロコランディアがとても楽しかったりしたそうで、心から「ありがとう、ありがとう」とお礼をされてしまいました。
本当に二人で楽しんだみたいです。
このコミュニケーション・レッスンを通して現地の方と街を歩くことによって、ただ親に連れられて観光するよりは、「自分ごと」として他の土地に存在することができるようになったのではないかとい思います。
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